暦を早見表に頼らずに換算する方法



    今って何世紀でしょう?紀元前〇世紀って西暦何年の事ですか?
    令和になってから何年経ちますか?平成何年で令和に変更しました?

    こう言った疑問は、誰もが必ず持った事があります。そして、実は学校の歴史で教わっていたりします、ただ忘れていただけだったりします。

    筆者自身も、早見表を良く検索したりします。一昔、国内で必要な書類は、日本の年号で記入するものが多く、国際化に伴い、西暦で統一されつつありますので、日本の年号までは覚えていても、「何年だっけ?」は、これから増えますでしょう。

    日常に置いて、重要性も緊急性もない年号の数え方、意識していないと自然には覚えられないのが普通です。こう言った換算方法やルールさえ理解していれば、検索する面倒もなくなります。その換算方法を、ここでまとめて行きたいと思います。

西暦 ⇔ 世紀 の関係

    西暦100年毎に区切って1世紀と言う事はわかりますが、2000~2099年までか、2001~2100年までか、戸惑いませんか。知っている人でも、会話の流れで周りに「そうだっけ?」と言われると、「あれ?」と自信が揺らぎます。それほど日常にはどうでもいい事・・・・・・ですね。

    西暦はイエス・キリストが生まれたとされる年(実際はズレがある)を元年=紀元とした紀年法で、西暦紀元、キリスト紀元とも言います。ラテン語の「Anno Domini」(主の年)の略A.D.が使われていたが、19世紀以降非キリスト教徒との関係から、「Common Era」(共通紀元)へ、同時に、紀元前の表記をBCからBCE(Before Common Era)へ切り替える動きが広まりました。

    世紀は英語で「century」、語源はラテン語の百である「centum」です。Cで略す場合が多いので、例えば20世紀を「20C」で表現したりします。

    西暦に0年はない、世紀も0世紀はない

    つまり1~100年が1世紀なので、21世紀は2001~2100年が正しいです。

    その応用で今年は何世紀?と言う疑問に、百円だけで買える枚数に例えられます。百円感覚なら覚えやすいと歴史の先生から聞いた事があります。使えるのは百円だけで、買い物をするのだから、足りないと買えませんが、お釣りは貰えないの?なんて余計な事は考えないようにして下さい。百円で買える事だけを考えて下さい。

    1996年を100円で買う場合、19枚では足りないですよね、つまり20世紀です。
    今年2020年は100円で買う場合、21枚必要だから、21世紀です。
    例えば1234年は?百円で買うなら1234÷100=12.34、切り上げて13世紀です。

   ついでに、西暦と世紀に関わる豆知識を少々集めて見ました。何かの際に話題の参考になればいいと思っています。

●西暦1年の前は紀元前1年、その前は紀元前2年

    17世紀フランスの神学者ドニ・プトによる案で、18世紀に一般化され、西暦0年と0世紀は通常存在しない事になっている為です。

●西暦1~524年までは概念上の存在で誰も使った事が無い

    西暦の誕生は525年ローマ教皇ヨハネス1世が復活祭暦表の改訂を、神学者ディオニュシウス・エクシグウスに依頼した事を契機に算出されました。   それまではローマ皇帝ディオクレティアヌスの即位を紀元としていたが、この皇帝はキリスト教の迫害者であり、名を残す事が疎まれていました。

    算出された西暦は歴史的裏付けはないので、現在の新約聖書の記述と照らし合わせると、イエスは少なくとも紀元前4年には誕生していた事になります。算出当時に参考できる情報も限られている筈ですが、いずれにしても約1700年の時が流れ、このズレの検証も修正も今更、簡単にできない事です。

●紀元前5508年を元年とする紀年法がある

    西暦がキリスト教圏全てで用いられたわけではなく、東ローマ帝国などの正教会諸国では、世界創造紀元を用い、旧約聖書の天地創造が基準です。それによると西暦の紀元前5508年が元年となります。現在も正教会の幾つかの教会では世界創造紀元を使用しています。

●西暦0年とマイナスの西暦

    ちょっと待った!上記では通常0年0世紀はないと書いてありましたよね!

    はい、通常はありません。しかし、天文学的紀年法にはあります。十進数の整数の番号付けに厳密に従っていなければ、演算規則に従った計算が面倒で、間違えやすいのです。

    天文学では、紀元前1年は0、紀元前2年は-1、紀元前3年は-2、紀元前n年は-(n-1)年であります。紀元後は通常の西暦と同じ整数で表示されます。

   キリスト紀元教神学者たちが作ったもので、天文学紀元は現代科学的発想ですが、通常的に習慣化された紀年法は既に根付いてるので、用途に従って分けて考えるしかありません。

和暦 ⇔ 西暦 変換ルール

    日本がグレゴリオ暦を採用したのは西暦1872年に当たる明治5年12月2日の事でした。その翌日を明治6年1月1日(グレゴリオ暦の1873年1月1日)とし、そこから新暦をに切り替えました。

    各年号に該当する西暦の変換ルールは西暦と和暦の差で計算できるので、その差を埋める事だけと言う実にシンプルな計算です。

    西暦1873年の後ろ2ケタ「73」から明治6年の「6」を引くと、「67」と言う差が得られ、後は何世紀かわかっていれば、前の2ケタの数字も確定します。

    例えば、
明治11年 ⇒ 13+67 =78 ⇒ 19世紀なので前に18 ⇒ 1878年 となります
西暦1907年 ⇒ 07では足りないので上の桁から借りて 107-67 = 40 ⇒ 明治40年です

    同様に大正元年は明治45年に相当し、1912年の事でありました。時は既に19世紀に入り、西暦の後ろ2ケタ「12」から大正元年の「1」を引くと、その差は「11」となります。

    西暦への換算例は、
大正8年 ⇒ 8+11 = 19 ⇒ 1919年となります
1926年 ⇒ 26-11 = 15 ⇒ 大正15年となります

    そして昭和元年は大正15年に当たり、1926年の事でした。西暦との差は「25」です。

    西暦への換算例は、
昭和11年 ⇒ 11+25 = 36 ⇒ 1936年
1965年 ⇒ 65-25 ⇒ 40 ⇒ 昭和40年

    平成元年は昭和64年に当たり、1989年の事でした。西暦との差は「88」です。

    西暦への換算例は、
平成10年 ⇒ 10+88 = 98 ⇒1998年
2011年 ⇒ 11では足りないので上の桁から借りて 111-88 = 23 ⇒ 平成23年

    令和元年は平成31年に当たり、2019年の事で、西暦との差は「18」です。このように、西暦との差を埋める感覚で和暦を割り出す事ができます。後は西暦との差を覚えるだけです。TVなどで一度は聞いたことあると思いますよ。

明治「67」、大正「11」、昭和「25」、平成「88」、令和「18」

    歴代天皇の在籍年数ではないから、間違わないようにして下さいね。